鶏胸肉は柔らかジューシーに調理すべきという風潮に抗う

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「鶏の胸肉」で検索すると、ジューシーに、とか、柔らかくする、とか、そんなコツがガンガンヒットしますよね。世界は”胸肉を柔らかく調理するコツ”で溢れかえっています。

ていうか、これ読んでる人も、胸肉を柔らかくしようと思って検索して、何かの気の迷いでこのページに来ちゃったんじゃないかと思います。

あるがまま……固さに逆らわず……

そりゃあ柔らかい肉は美味しいし、それが、あの安いけどパサつく鶏の胸肉で実現できれば万々歳ですよ。僕も柔らかい肉は大好きなんですが、固い肉には固い肉の良さがあるんですよね。

それに、肉を固く仕上げた方がいい料理だってあるじゃないですか。例えば、酒のツマミですよ。

若い頃はガッツリ系の料理だけで夜通し酒が飲めたものですが、今はさすがに、2次会、3次会と進んでくると、おなかがいっぱいになってきます。なので、味が濃い物をチビチビとつまみながら飲むほうが心地いいんですよね。年を重ね胃が弱ってきたことで、サラミやミックスナッツ、ドライフルーツ、スルメイカといった乾物系が酒のツマミとして好まれる理由が、ようやく分ってきたなーという感じです。

なので、ここはあえて、鶏の胸肉をカチカチに仕上げるタイプの料理を紹介したいと思います。

作り方は簡単。塩漬けにして茹で、オーブンで乾燥させる

作り方は極めて簡単です。

1.鶏の胸肉から皮を剥ぎ、赤身の部分を一口サイズに切ります。これをジップロックに、塩とすりおろしたニンニク(チューブでかまいません)と一緒に入れて揉み込み、冷蔵庫で半日ほど寝かせます。お好みでバジルや黒コショウ、砂糖やはちみつなどを入れてもいいです。

これはささ身スティックを作ったときの画像なんで別物なんですが、部位と形が違うだけで手順は全く一緒。まあこんな感じで塩漬けにするわけです。

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塩は大体、肉500gにつき70gくらい入れてますかね。いつも適当なんで……けっこうドバドバ入れる感じですが、意外と中まで浸透しないので安心してください。

それに、鍋で茹でる段階で抜けるし、そもそも一度にたくさん食べるものではないので、塩は思い切って入れたほうがしっかりと味がつきます。

2.で、寝かしたこの肉を鍋に入れ、水を張って加熱します。底に沈んだ肉が焦げ付かないように、火加減は中火かやや強火くらいで。アクを取りつつ様子を見て、沸騰が始まったら火を止めます。

3.オーブンレンジを予熱150℃で熱したら、鍋から肉を取り出し、軽く水を切ってオーブンペーパーを敷いた天板に並べていきます。肉同士がくっついていてもかまいません。

この時点ではもしかしたら、中の方まで火が通っていない可能性もありますが、低温とはいえ150℃でじっくり加熱するので、最終的には火がしっかり通るので安心して下さい。

4.あとは、焦げない程度に低温でじっくり加熱して、水分を飛ばしていきます。表面にカチカチの部分が出てきたら完成。オーブンを止めて、そのまま放っておきましょう。冷めたら完成です。

加熱する時間は何分、と決まっているわけではないし、焦げさえしなければ加熱し過ぎても問題ないです。逆に早く取り出しすぎてまだしっとりしてるなと思っても、また加熱すればいいんです。焦げさえしなければいくらでも修正が効くので、何から何までアバウトでいきましょう。

ちなみに、鍋の煮汁は鶏だしのスープになります。塩加減に個人差があると思うので、しょっぱいと感じたら水で薄めて(溢れるようならまず茹で汁を捨ててから水を加えます)、薄いと感じたら塩を足すなどして味を整え、野菜などの具と一緒に煮込めば極上のスープになります。

しかし、これだけ茹で汁に旨味が染み出してるのに、まだ肉本体に凝縮された旨味が残ってるわけですから、肉ってのはいったいどんだけ旨味を抱え込んでるんだよ、と思いますね。

長持ちします

食べ方ですが、一口大だからって、一口で食べたら多分しょっぱくて美味しくないと思います。まず、言葉は汚いですが、爪クソほどの大きさで食べてみて下さい。味が濃いので、おそらくそれだけでお酒を一口飲めると思います。

そして、おそらく一口大で350mlの缶酎ハイ1本分くらいは飲めると思います。個人の感想ですが、アルコール度数の高いお酒に合うような気がしますね。

袋に入れて冷凍庫に入れておけば1か月ぐらいは余裕で持つと思います。食べる時は、レンジで適当に温めてやればOK。水分がないので、そのまま皿に出して、飲みながら自然解凍してもいいです。

ちなみにこれは自然解凍バージョン。表面にこびりついている緑色のはバジルです。

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見るからに固そうですよね……でもそこがいい。

固い肉には様々なメリットがある!

やわらかい肉は一口でたくさん食べてしまうし、水分が多いので傷みも早い。けどこれは水分が抜けてカチカチなため、旨味も塩気も凝縮されていて少しずつ食べても充分美味しいし、保存も効きます。

塩分の密度が高いのはその通りなんですが、そんなにたくさん食べるわけじゃないので、ほどほどの塩っ気のおかずをモリモリ食べるよりも、トータルの摂取量は少ないんじゃないかと思います。

そして食べる量が少ないので、肥満の原因にもなりにくい。

あと、一つ重要なのが、水分が無くてカチカチのツマミって、皿にしつこい汚れがついたりしないし、手でつまんで食べることができるんですよ。

固い肉を固いままに料理するのは楽

固い肉を柔らかく仕上げようと思ったら加熱時間などをある程度気をつけないといけませんが、固く仕上げる分には、加熱時間などはアバウトで構いません。はるかに楽なので、気軽に試してみてはどうでしょうか。酒のツマミだけじゃなく、例えばおにぎりの具なんかにも使えるので。

by カエレバ

 

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