夏の昆虫採集といえばカブトムシが定番ですが、よほど好きでもない限りオススメしません。その理由を紹介します。お子さんと虫を採る、飼う際の参考にしていただければと思います。
カブトムシはうるさい
カブトムシの活動時間は夜間ですが、とにかくうるさいです。
まず、よく動くのでガサガサうるさい。
昆虫ゼリーをむさぼる音もうるさい。舐めてるだけらしいですが、動くだけでガサガサうるさいのでどのみちうるさい。
さらに、どんなに狭い飼育ケースでも、ガンガン飛ぶのでブンブンうるさい。
飛んで上蓋にぶつかる音もバチバチうるさいです。
さらに、交尾中もオーバーアクションでギリギリギリギリうるさい。ただ活動してるだけでうるさいのです。
カブトムシはくさい
カブトムシはおしっこ?のようなものをしょっちゅう飛ばします。これがくさい。
このニオイはまさにカブトムシのニオイというやつで、雑木林で匂ってきたら近くにカブトムシがいる証拠です。
採集している時なら嬉しいニオイかもしれませんが、これが家に充満するともう我慢できません。
結構な量、それも頻繁に飛ばしているので、しばらく飼育すると、ケースの中が見づらくなってきます。
これは、この汁が内側から何度も何度も何度もひっかけられた結果です。
土やら葉やらをいちいち取り出して洗うのは面倒だし、そもそも土や朽木、餌場などもこの汁に汚染されるので、カブトムシを手放すその日まで、このニオイとは付き合わなければなりません。
カブトムシはエサをめちゃくちゃ食うし、食えないとすぐ逝く
カブトムシはめちゃくちゃ食うので、エサやりが面倒な上にエサ代も地味にかかります。
1匹で1日1カップは消費します。かなり荒々しく食べるのでゼリーをひっくり返して土にぶちまけるので全部食べてるかどうかは分かりませんが。
ぶちまけを防止するためにゼリーの蓋を開けずに針で小さな穴を開けて置いておくのですが、翌朝には蓋を突き破って空っぽのカップに顔を埋めています。
力持ちはカブトムシの長所ですが、世話をする側からすれば間違いなく短所でしょう。
100円で30カップぐらい買えるので金銭的なコストはそれほどでもないです。
ただ、アイツらはゼリーが無くなると結構あっさり死ぬんですね。ゼリーから水分を摂取してるからだと思われます。しょんべんばっかりしてるからすぐ水分が足りなくなるのでしょうか?
面倒なのは旅行などで長く留守にする場合です。
カップをたくさん入れておけば安心、という訳でもないです。あればあるだけ食べたりぶちまけたりするので。
ありったけのゼリーをセットしていくことになるかと思います。
カブトムシはコバエガードを突き破る
昆虫を飼うと、飼育ケースにコバエがわいてくることが結構あると思います。
これを防ぐためには、飼育ケースと蓋の間に、不織布のシート、または空気穴の空いたビニールっぽいシートをかぶせるのが有効です。ところが、カブトムシはこのシートに食らいつき、ズタズタに引き裂きます。
そこで、食らいつけないようにコピー用紙をかぶせたりもしたのですが、今度は例のションベンで弱らせて突き破ってきます。
さらに凶暴なヤツになると、このコバエガードを足がかりに、飼育ケースの蓋についてる透明のパカパカ開く部分(あれ、有効活用している人どれくらいいるんでしょう?)を押し開けて脱走します(笑)
家中を縦横無尽に飛び回り、汁をそこら中に撒き散らす……想像したくもありません。
というわけで、カブトムシの飼育はツラいことばかりです。
人気の昆虫なので、お子さんにせがまれることも多いかと思います。しかし、そこは大人の姑息な知恵を駆使して、コクワガタを欲しがるよう誘導しましょう(笑)
ではコクワガタの魅力を挙げていきましょう。
飼育するならコクワガタ!
先日、カブトムシの飼育がいかに苦行かについてのエントリーをアップしました。
逆にオススメの昆虫も紹介したいと思います。ずばりコクワガタです。その理由を挙げていきましょう。
コクワガタは静か
夜通し暴れまくるのはカブトムシですが、コクワガタはめちゃくちゃ静かです。たまに動いた時も、ゴソゴソって感じで慎ましくてかわいい。癒されるし、愛おしくなって世話してやろうか、という気持ちになります。
コクワガタは臭わない
クサい汁を飛ばしまくるカブトムシに対して、コクワガタはほぼ無臭です。どこに置いても、異臭で家族の顔が歪むことはありません。加えて、後述しますが、殺し合わないので、死んで腐臭を放つのは寿命で死んだ時だけです。
コクワガタは控えめな食欲
コクワガタは小食です。ちゃんと食ってんの?と心配になるほどゼリーが長持ちします。100均のゼリー1袋で、寿命が尽きるまで持つんじゃないでしょうか。週に1度くらい、霧吹きで湿らせてやれば、あとは基本的には放置しても問題ありません。
コクワガタは穏やかで優しい
ワガママで好戦的なカブトムシはエサやメスをめぐって四六時中取っ組み合いのケンカをしていますが、コクワガタはケンカしない(多分)ので、1つの飼育ケースに複数匹飼うことができます。
同じクワガタでも、ノコギリクワガタなんかは好戦的なので、2匹以上いれておくと、無残な姿に変わり果てていることがよくあります。死んだクワガタは次第に腐臭を放つようになるので、発見が遅れると嫌なニオイが家に充満することになります。
コクワガタは寿命で逝くまでそういったことはないので、基本放っておけます。
コクワガタはコバエガードも突き破らない
汁も飛ばさず、パワーもないコクワガタは飼育ケースと蓋の間にコピー用紙を挟んでおけば、コバエが発生しても完全にシャットアウトできます。逃げもしません。ただ、小さいので、単に飼育ケースの蓋に隙間があったりすると、そこから逃げる可能性はあります。
コピー用紙を挟んでおけば全て防げるので、あまり気にしなくてもいいと思いますが。
コクワガタはしぶとい。脅威的な生命力
環境さえ整えてやれば、ほっといても冬を越して増えてくれます。先日もいつのまにか1匹増えてました。
しばらく世話を忘れてても生き続けます。捕まえた時に何歳かにもよりますが、2、3年は普通に生きますね。長生きすればおのずと愛着もわくというものです。
駆け足でその理由を説明してきましたが、昆虫飼育するならコクワガタ。おわかりいただけたでしょうか。
図らずもカブトムシを飼ってしまい、卵が生まれたり、幼虫になってしまった場合は、こちらを御覧ください。
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