先日、NHK(Eテレ)の「グレーテルのかまど」という番組で、郡山で知らぬものはいないと言い切ってもいい「かんのや」の「家伝ゆべし」が紹介されていたんですよ。
郡山出身のクリエイティブ・ディレクター箭内道彦さんが大好物ということでの紹介だったんですが、この超がつくぐらい同意ですね。これ本当に美味しいですから。
ゆべし自体は、各社から出ているが……
郡山のお菓子というと、県外では「ままどおる」「薄皮饅頭」あたりがそこそこ知られていますよね。
で、ままどおるは三万石というメーカーが、薄皮饅頭は柏屋というメーカーが、それぞれ作っているわけですが、この2社もゆべしは扱っているんですよ。それぞれに特色があって美味しいんですが、やっぱりゆべしといえば、この「かんのや」の「家伝ゆべし」なんですよね。形が独特だったり、餡が入っていたりと、他とは明らかに違うので。これに関しては、郡山市民の間でも、多数派なんじゃないかと思います。
そして僕の中では、この「家伝ゆべし」こそ、ベスト・オブ・郡山土産なんですけどね。
神奈川でもよく見かける
神奈川に長いこと住んでますが、実はこの「家伝ゆべし」、実によく見かけます。横浜のそごう、高島屋、相模原の伊勢丹では常に取り扱いがあるし、その他のデパートで開催される物産展や、スーパーのちょっとした地方銘菓イベントなんかでも、ホントによく見かける。かんのやさん、販路はかなり持ってるという印象です。
でも、知名度は低いんですよね。どうしてなんでしょうね?
もちろん、「あまり美味しくないから」ではないことだけは僕が全力で保証します。
変な形w→もちもち→甘くてちょっとしょっぱい→超甘いけどさっぱり→もう1個
「家伝ゆべし」に関しては、味より先にまず食感。食感よりも先にまず形ですね。「家伝ゆべし」の最大の特徴と言ってもいいでしょう。
また同じ画像かよ、って感じですが、この独特な形。ちょっと可愛らしく感じるのは僕だけですかね。
ちなみに、「家伝ゆべし」を一度食べて好きになった人は、水道の三又ハンドルを見るたびに「家伝ゆべし」を思い出す呪いにかかります。郡山を出てしばらくは、水道のハンドルを見るたびに、里心がついて帰省したくなったものです(今もですが……)
形の次は食感。もうクドいくらいモッチリしてます。吸盤でもついてんのか、ってぐらい、つまんだ指にベッタリと張り付く。でも不思議なことに、手は汚れないんですよ。ベッチョリはしていない、ということです。
で、一口かじると、コシの強いこと強いこと。柔らかいけど弾力がものすごい。そんな感じで噛みごたえがあるから何度も噛みしめるんですが、そのたびに、ほのかなしょうゆの味を含んだ甘みが口に広がっていきます。
そして、ゆべしの中には餡が包まれていますが、これがまた甘い。甘いんですが、ガツンとくるような強烈な甘さじゃないんですよ。どこかさっぱりしている。
それも、単に味の違い、というわけでもないんですよね。味だけでなく、食感も含めてトータルでさっぱりしている、というか。ゆべしのコシが強いので、歯切れのよい餡がさっぱりに感じるんですかね。
そんな感じで1つ食べ終わると、またあの噛みごたえ、ゆべしと餡の2段階の甘みが欲しくなって、ついついもう1つ、となってしまうわけですよ。いや結構高いんですが、あれよあれよと無くなるのが、この「家伝ゆべし」です。
結構高いけど、美味なので一度ご賞味を
と言うわけで、もし運良くスーパーでこの家伝ゆべしを見かけたら、一度は食べてみることをオススメします。妻も子供たちも、「ままどおる」よりこっちの方が好みみたいです。食いつきがいい。
あと、身近に福島出身、とりわけ郡山出身の人がいたら、帰省の土産にゆべしをねだってみてください。郡山出身者は「ままどおる」ばっかりで飽々してないかな、と悩みながら土産を買ってるので。
ちなみに、スーパー等のイベントでは、この6個入りパッケージで売られていることが多いです。この古風で味のあるデザインがまた、ライバル?の「ままどおる」や「薄皮饅頭」とは一線を画していて、僕の心を捉えて離さないわけですよ。