ダイエットに限って言うなら、運動で減らせる体脂肪より、食事をほどほどにすることで減らせる体脂肪のほうがずっと多いので、あくまで補助的な話なんですが……運動の習慣をつけるなら、やはり自転車がいいんじゃないかと思います。
まあダイエット抜きにしても、心肺機能を高めたり、自律神経を整えたり、と運動のメリットはたくさんありますしね。
1.自転車は膝への負担が少ない
運動をしない人が、まず始める運動は、大抵ウォーキングかジョギングですよね。でも、歩いたり走ったりって、体重のある無しに関わらず、膝などの足の関節に結構負荷がかかります。
今日からジョギング始めるぞ!と意気込んで走り始めたものの、何日か経った頃に膝が痛み出して、そのまま頓挫、というのはよくある話ですよね。下手すると、初日に頑張りすぎて終了、なんてことも珍しくない。
一方、自転車は体重を股の部分で支えます。歩いたり走ったりする時のように弾みはつかないので、かかる力は一定。なので膝に大きな負荷をかけることなく有酸素運動を続けることができます。
2.自転車は進みながら休める
ウォーキングやジョギングは、自分で動かないと前に進まないんですが、自転車って上り坂でもなければ、ペダルを漕ぐのをやめても、勝手に進んでいきますよね。キツいな、と思ったら休みながら進むことができるわけです。
トレーニング目的で必死に運動している場合はともかく、軽い運動程度の感覚なら、キツいと感じるギリギリの負荷で長時間継続する方が、運動の効果が上がります。自転車はそれがしやすいんですね。
3.自転車は体の熱を逃がしながら運動できる
あと、自転車は歩いたり軽く走ったりするのに比べて速い分、体の熱を外に逃しやすい。運動して体温が上がりっぱなしだとすぐにバテますが、その点、自転車はクールダウンしながら走れるわけです。
ジョギングだと10分も走れば体も火照るし、息も上がってきますが、自転車だとその倍走っても、大して疲れないと思います。
ジョギングとかランニングのほうが時間あたりの運動の効果はあるのかもしれませんが、長く続けるにはそれなりの体力が要ります。一方自転車は、自分の体力に合わせたペースでダラダラと続けられる分、無理なく長い時間運動できます。
4.目的地を遠くに設定できるから飽きにくい
毎日同じ場所をぐるぐる回るのもそれはそれで楽しいですが、やはり目的地やルートのバリエーションは多いほうが飽きがこないと思います。
自転車で行ける範囲は、ウォーキングやジョギングとくらべて格段に広いです。もちろんランニングで信じられないような距離を走る人もいますが、そのレベルで運動している人は、おそらくこんなエントリー読んでいないと思うので。
今日はここまで行ってみよう、という選択肢が多いと、サイクリングのモチベーションも上がります。
5.移動を運動にできるので、特別に時間を取る必要が無い
勉強や仕事、家事に育児など、毎日やることがあってなかなか運動出来ない、という人は結構いますよね。
となると夜や早朝に運動することになると思うんですが、寝る時間を削ってまで運動するだけのモチベーションを長期間維持できるか、というとなかなか続かないものです。
自転車は普段の移動を運動に替えてくれますから、特別に時間を取らなくても、運動ができます。もちろん時間を取れば、もっと運動できるようになります。
6.疲れないわりに、カロリーを結構消費する
それなりに長い時間走るわりに、ジョギングほど疲れない自転車ですが、カロリーは結構消費するんですね。どれぐらいカロリーを消費するのか、一例を紹介しましょう。
消費カロリーはMETsという運動強度を元にした計算式で算出するのが一般的です。
自転車以外の運動のMETsですが、
・何もしていない時で1.0METs
・ウォーキングが2.5METs
・歩くのの倍ぐらいのスピード(8.0km/時)でのランニングが8.0METs
です。
で、自転車のMETsは、
・ダラダラと自転車を漕ぐ(16.1km/h以下)のが4.0METs
・普通のスピード(16.1~19.2km/h)で走ると6.0METs
・速めに漕ぐ(19.2km/h~22.4km/h)と8.0METs
という感じです。
で、カロリーは、この式になります。
消費カロリー(kcal) = 1.5*METs*時間(h)*体重(kg)
そこで僕(体重75kg)が少し速めのスピードで1時間自転車を漕ぐと……
1.5*6.0*1*75 = 675kca
これもう1食分ですよ。すごいですよね。1日1時間走れば、4食食べられる!2時間漕げば1日5食ですよ!
ランニングのほうがMETsは高いんですが、1時間ランニングって相当疲れます。一方自転車は、それほど体力が無くても1時間くらいは走れちゃうんですね。
食べ過ぎだけは注意
自転車に乗るのが習慣になると、お腹が空くんですよね……まあエネルギーを消費しているから当然なんですが。
で、厄介なのは、運動したんだからちょっとぐらい多めに食べてもいいよね、と自分に甘くなりがちなんですよ。2時間走って1日5食とか浮かれてるヤツもいるぐらいですから。
動いて消費できる程度のエネルギーなんて、ちょっと食べ過ぎたらあっという間なんですよね……。人間の体って本当に省エネ設計だな、と思います。
というわけで、運動した直後の食事は、食べ過ぎないよう充分気をつけましょう。
ママチャリでもいいけど……
最後にどんな自転車に乗るか、という問題ですが、基本的にはどんな自転車でもいいと思います。電動アシストでなければ。
ただ、僕はクロスバイクという、MTBとロードバイクの中間ぐらいの自転車に乗っているんですが、この手のスポーツタイプの自転車に慣れてしまうと、もうママチャリとかかったるくて乗れなくなっちゃうんですよね。
一漕ぎで進む距離も段違いだし、これもうどこまでも行けちゃうんじゃないか、ってぐらい軽快です。
なので、できればこういったスポーツタイプの自転車に乗ったほうが、楽しく自転車を続けられるんじゃないかと思います。
それに、ママチャリに乗っても行動範囲はそれほど広がりませんが、MTBやクロスバイクなら、自宅から半径5kmぐらいは”近所”になりますw
それまでバスや電車を使って行っていた場所に、自力で行けるようになるのは気持ちの良いものです。駅やバス停の場所、運行ダイヤに影響されないので、かえって早く着いたりしますし。
と、運動だけじゃなく、生活の質にも関わってくる自転車ですから、ぜひママチャリではなくスポーツタイプの自転車に乗って下さい。
安いものなら、4,5万あれば買えます。自転車にすれば、それまでかかっていた交通費その他諸々が浮くので、すぐに元が取れますよ。